病院で検査を受けても「特に異常はありません」と言われた。
それでも、疲れやすい、体が重い、調子が上がらない。
こうした状態に悩んでいる人は少なくありません。
東洋医学は、数値や画像だけでは捉えきれない体の状態を
「全体のバランス」から評価する医学です。
つまり、体を部分ではなく全体のバランスから捉える医学ということ。
この記事では、東洋医学の基本的な考え方を、
トレーナー・鍼灸師の視点からわかりやすく解説します。
東洋医学とは何か
東洋医学とは、体を部分ではなく「ひとつのまとまり」として捉える医学です。
痛みが出ている場所だけを見るのではなく、
その背景にある生活習慣、疲労の蓄積、回復力の低下などを含めて考えます。
そのため東洋医学では、
「どこが悪いか」よりも
**「なぜその状態になっているのか」**を重視します。
西洋医学との違い
東洋医学と西洋医学は、目的や得意分野が異なります。
西洋医学の特徴
- 病名を診断する
- 原因を特定する
- 薬や手術で取り除く
といったアプローチを得意とします。
急性外傷や感染症、命に関わる場面では非常に有効です。
東洋医学の特徴
- 病名がつかない状態
- 慢性的な不調
- パフォーマンス低下
などを、体全体の状態から評価します。
東洋医学の基本的な考え方
気・血・水
東洋医学では、体は「気・血・水」という要素で成り立つと考えます。
- 気:体を動かすエネルギーや機能
- 血:栄養や循環
- 水:体液や潤い
これらが不足したり、滞ったり、偏ったりすると不調が現れます。
陰陽とは、相反する要素のバランスを表した考え方です。
陰陽
- 活動と休息
- 緊張と弛緩
- 昼と夜
トレーニングと回復の関係と同じで、
どちらかに偏りすぎると体調は崩れます。
五臓六腑
五臓六腑は、西洋医学の臓器と完全に一致するものではありません。
たとえば「肝」は、
肝臓だけでなく、自律神経や情緒の働きも含めた機能的な概念です。
東洋医学の考え方は独特な用語が多く、最初は理解しづらいと感じる方も多いと思います。
体系的に学びたい場合は、初心者向けにまとめられた書籍から入るのがおすすめです。

東洋医学は怪しい?
東洋医学には、科学的根拠が十分でない分野があるのも事実です。
ただし、
- 鍼刺激による疼痛調整
- 自律神経への影響
- 血流改善
などは、現代医学的にも研究が進んでいます。
重要なのは、
「万能ではない」と理解したうえで使うことです。
どんな人に向いているか
東洋医学は、
- 慢性的な不調
- 疲労が抜けにくい
- 検査では異常が出ない症状
を抱える人に向いています。
一方で、重度外傷や急性疾患では、
まず西洋医学的な対応が必要です。
トレーナー・鍼灸師視点での東洋医学
東洋医学は、トレーニングやリハビリと組み合わせることで力を発揮します。
- 呼吸
- 姿勢
- 回復
- 疲労管理
これらを評価する際、
東洋医学の視点は非常に有効です。
私は実際のセッションでは東洋医学の考えを用いることもあります。
ですがやはり選手の理解が得られにくいのが難点ではありますが、、、
まとめ
- 東洋医学は体全体のバランスを見る医学
- 西洋医学と対立するものではない
- 慢性的な不調や未病に強い
- 正しく使うことで現場で役立つ
東洋医学を学ぶための参考書籍
・東洋医学がはじめての人向けの入門書
・トレーナー・医療系学生向けの基礎書




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