スポーツ中に、
「緊張でうまく体が動かない」「興奮しすぎて集中できない」「練習ではできたのに…」
などの経験はないでしょうか?
今回はそのメンタル面をコントロールする方法と重要性を解説していきます。
ヤーキンス・ドットソンの逆U字曲線
スポーツでのパフォーマンスを高めるには適度な興奮が必要です。
説明によく使われるグラフとして「ヤーキンス・ドットソンの逆U字曲線」があります。

最高のパフォーマンスを得るのに最適な興奮水準があることを示すグラフです。興奮の度合いが低すぎても高すぎても、パフォーマンスは低下するということです。裏を返せば、興奮をコントロールすることでパフォーマンスを最大限に発揮することが可能ということです。
しかし最適な興奮水準は競技種目や個人によって異なります。
競技種目による興奮水準の違い
弓道や射撃のように正確さが強く要求される種目の場合は最適水準が低くなり、ウエイトリフティングのような一気にエネルギーを発揮することが求められる種目では最適水準が高くなる傾向があります。
個人による興奮水準の違い
「内向的な性格の競技者」では「外交的な性格の競技者」よりも興奮水準が高くなる傾向があることが明らかになっています。
興奮が最適水準を超えているときのコンディショニング
試合などの本番では様々なストレスから、最適水準を超えた興奮状態でプレーする競技者が多いです。このような方は興奮水準を下げる必要があります。そのための「リラクセーション技法」が開発されているためそれを紹介します。
- 呼吸法
- 漸進的筋弛緩法
- 自律訓練法
その場で簡便に行えることから「呼吸法」と「漸進的筋弛緩法」を解説します。
1.呼吸法
緊張したときに深呼吸すると思います。正しい方法で行うことで心身のリラックスができます。
【方法】
鼻から約3秒間息を吸い、約2秒間息を止め、口から約6秒間息を吐くという腹式の深呼吸を行います。息を吐くときに肩の力を抜くようにする。
2.漸進的筋弛緩法
筋肉を意図的に緊張させ、一気に脱力させることで筋肉を弛緩させる感覚をつかむ訓練です。
- 右手
- 左手
- 右足
- 左足
- 両手
- 両足
- 両手→両足
- 両手→両足→胸
- 両手→両足→胸→腰
- 両手→両足→胸→腰→顔
の順で緊張と弛緩を繰り返す
興奮が最適水準を下回っているときのコンディショニング
試合直前になっても体があったまらず、動かしづらいようなときも多くあります。このような場合は興奮水準を高める必要があります。そのことを「サイキングアップ」といいます。準備運動は身体の準備だけでなく、興奮水準を高め、心理的な側面からの準備を行う機能もあります。
体をたたく・足を動かすなどを行うことがあると思います。このような行動は、”気合を入れている”と表現する場合が多いですが、実際は「興奮水準を高める」効果を期待して行われています。
パフォーマンス発揮を妨げるマイナス思考
実力の発揮を妨げる原因の一つに”失敗を恐れる”という失敗不安があります。試合では勝利欲求が高まった結果、負けることを恐れ、”失敗できない”という考えに陥ります。その思考を一般的に「マイナス思考」といいます。
マイナス思考の現象例として、
ゴルフで”池に入れてはいけない、けれど入れてしまうかもしれない”と不安になり、結果的に池に入れてしまうという「池ポチャ現象」というのがある。
このような”失敗を恐れる不安は、興奮水準を高めてしまうだけでなく、失敗のイメージを持って行動してしまうことにもつながり、イメージ通りの失敗してしまうことが多くなります。
マイナス思考が実力発揮を妨げる最大の要因である!
といえるかもしれません。
マイナス思考からの脱出
プラス思考が重要なことがわかってもマイナス思考から抜け出すことは簡単ではありません。有効な方法は「セルフトーク」です。
”負けてしまいそう””失敗しそう”と感じて過緊張に陥った場合に、「やるだけのことをやればいい」「思い切り攻める」と声に出すことで気持ちが切り替わり、落ち着いてプレーすることができることが多くある。
セルフトークが有効でない選手には、試合の前に「成功のイメージ」を何度もリハーサルできるように働きかけ、マイナス思考に陥った場合には、成功のイメージをすることで、マイナス思考から脱出することができるようにすることが有効です。
最後に
このように、身体面と心理面は深く関係しており、切り離すことはできません。特に試合のようなストレスが多くかかる場面では心理面が大きく影響します。自身の興奮や精神をうまくコントロールすることで他の選手よりも良いパフォーマンスを発揮しましょう。


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